


知床のヒグマ(船上より撮影)
お願い:
私が運営しているコンテンツ「ひとりでフライフィッシングを始めたい!」では、自然河川や湖沼での釣り経験のない方には、管理釣り場(エリアトラウト)での入門をお勧めしています。
近年の、クマの出没増加に伴い、自然のフィールドでフライフィッシングを始めることをお勧めできるのは、
・既に餌師/ルアーアングラーであって、クマ対策を確実に実施できる方
・沢登り、登山など、クマの自然生息域で活動し、クマの生態を知りその対策を確実に実施できる方
に限られることをご了承下さい。
hito-fly.hatenablog.com
1. クマ対策/万一出会ってしまった場合の対応について。
https://www.env.go.jp/nature/choju/docs/docs5/docs5-kuma.pdf

環境省_1

環境省_2

環境省_3

環境省_4

環境省_5

環境省_6

環境省_7

環境省_8
このようなクマの生態、行動については何度でも復習しておきましょう。
今回は環境省の資料を用いましたが、都道府県が地域の実情に応じてクマ対策を公開している場合がありますので、そちらも参考になります。
学術論文等は参考になりますが、どうしても調査・実験のデザインを組むためにエリアを絞らなければならないというジレンマがあります(後述)。
間違っても、日本熊森協会の疑似科学を参考にしないように。
2. 装備
2-1. クマ鈴
クマ鈴は必携でしょう。
これは私個人の見解であることをお断りしておきますが、私は山奥・源流域のクマよりも、市街地近郊に現れるクマの方がはるかに恐ろしいです。
彼らは、突然に人間の生活音(自動車のクラクションなど)に晒されて、興奮状態にあることが十分懸念されます。
一方、山奥のクマは、自然状態のハビタットで、人間及びその物音を警戒する暮らしをしていると考えるからです。
鈴タイプより、ベルタイプの方が音量も大きく効果的と思います。
(私は小学校の頃から渓流えさ師を始めましたので、心配した祖母が牛の放牧用のベルを持たせてくれたものです)
2-2. ホイッスル
釣りをしていますと、どうしても一か所で粘る局面が出てきます。その間はほとんど動作がないため、鈴/ベル式のクマ鈴が鳴らないシチュエーションとなります。
そんな時、一服の要領で、ホイッスルを吹き鳴らすのも一興です。
また、ホイッスルを持っていると、緊急時や遭難時の救助要請にも効果があります。
※緊急時・遭難時以外はSOSパターンで鳴らさないこと!
2-3. 爆竹
こちら、音量ではトップでしょう。
また、火薬臭にはクマの忌避作用があるという話も聞きます。
私は入渓時には必ず鳴らすようにしています。
ただし、いくら音量が大きくても、集水域を離れる(尾根を越える)と効果は薄いです。
枝沢などに入る際には合流点で再度鳴らすと良いでしょう。
また、破裂後の破片はちゃんと収集して持ち帰りましょう。
2-4. クマ撃退スプレー
クマと遭遇し、相手が接近してくる場合の手段です。
最もお勧めできるのはこちらです。
私が森林調査に当たっていた際は、こちらを肌身離さず携行していました。
特に射程距離が長いため、接近してくるクマを、余裕をもって迎撃できます。
私の普段使いはこちらです。
スペックを見て、費用対効果に優れていると感じ、購入しました。
こちら、日本の実情に合わせて開発された商品とのこと。
----------
以下、私のクマへの思いや、不幸な事故を防ぐための考えなどについて、加筆していきたいと思います。
----------
3. とりとめもなくクマについて
3-1. 日本熊森協会
この団体は、日本において人とクマとの平和的な共存を図るうえで、最も障害となるものだと考えます。
kumamori.org
どこから突っ込んでいいか頭が痛いところですが、websiteのしょっぱなから飛ばしてくれます。
❝人類が生き続けるには、大型野生動物たちが造る保水力抜群の最高に豊かな水源の森を、生き物丸ごと残すことが必要です。そのためには法改正が急務で、多くのみなさんのサポートが必須です。❞
まず、「大型野生動物たちが造る保水力抜群の最高に豊かな水源の森」というところから、森林生態系にかかる知識のなさが全開です。
「保水力」という言葉は、漠然としたイメージとして巷間に流布していますが、(独)森林総合研究所の解説が最も分かりやすいと思います。
www.ffpri.go.jp
ここでは、森林の保水力を、(1)土壌の保水力、(2)流域の保水力に大別して論じていますが、まずは土壌の保水力に絞って論じてみましょう。
(1)土壌の保水力
土壌の保水力は、土壌がもつ保水容量(貯水容量ともいう)で表します。地面にとどいた雨水は、土壌中に浸み込み、徐々に下方へと移動します。土壌中には様々な大きさ(太さ)の隙間(孔隙)が網の目のように分布しており、それらの孔隙には毛管力が働いています。 毛管力の強さは孔隙により異なります。大きな(太い)孔隙では、毛管力が弱く水を保持する力が弱いため、水の下方への移動は速くなります。小さな(細い)孔隙では、毛管力が強く水を保持する力が強いため、水の移動は遅くなります。そして、ある一定の大きさ以下の孔隙では、保持する力の毛管力が下方へ向かう重力より強くなるため、水が下方に移動できなくなります。 土壌の保水力は、水を遅く移動させることができる毛管孔隙の働きによるもので、この孔隙の保水容量で表します。
平たく言えば、土壌の保水力は、水を遅く移動させることができる毛管孔隙の働きによるもので、この毛管孔隙の多寡がポイントとなります。
森林土壌はいかにして形成されるか。
森林における土壌の形成は、大きく分けて基岩ないし火山灰(無機土壌)と、林床に供給されるリター(動植物の遺体、落葉落枝など)との相互作用によって起こります。
リターの中でも特に現存量の大きい落葉落枝は、A0層において、菌類や土壌動物(ミミズ、トビムシ、ササラダニなど)により分解や被食を受け、次第に細粒化します。その破片や化学物質はやがて無機土壌層に浸透し、次第にA層を形成していくのです。
ここまで来ますと、A層には樹木や草本植物などの根系が発達し、細根が張り巡らされる。
そしてその細根が「死ぬ」と、トビムシなどが死細根を食べることで毛管孔隙が生まれる。
...長々と書き連ねましたが、「土壌の保水力」について論じる上ではまだまだ入り口に過ぎません。
生態系生態学でもっとも危険でやってはいけないのは、手近なストーリーに飛びついて絶対視することです。
...人間は自分の見たい現実しか見ない、とはカエサルの言葉でしたね。そう、私も含めて、ね。
ただし、ここで言えることはあります。
「保水力抜群の水源の森」は、大型野生動物たちが作るのではありません。
菌類、土壌動物や微生物と、植物との相互作用によって作られるのです。
強いて言えば、死んだクマも「リター」にはカウントされますが、落葉落枝のバイオマスに比べれば誤差と言っていいレベル。
...いい加減、生態学を勉強しましょうね。
日本熊森協会の皆さん。
3-2. クマの市街地出没の原因は?
巷間よく言われるのは、「針葉樹の人工林を造りすぎたせいだ、広葉樹を植えろ」というものです。
しかし、こちらをご覧ください。

林野庁資料
こちらを見ますと、人工林齢級の最頻値は10齢級_約50年生となっています。
植栽後、林冠が鬱閉するまで仮に30年程度と仮定しても、人工林を造りすぎたせいでクマの市街地出没が激増したとするなら、それは20年くらい前に既に起きていなければなりません。
しからば、もし私がクマ出没激増の要因を探るなら、まずは思いつく限りの変数を集めるでしょう。
・餌資源となりうる高木種の分布と、結実の豊凶スパン
・餌資源となりうる低木種(キイチゴ類など)の分布と消長
・人工林の施業による下層植生の消長と餌資源
他にも、クマの餌は、昆虫や魚類など多種多様であって、さらに採餌にかかる移動距離など考え始めると頭が沸きそうです。
そして、変数をRにぶち込んで、散布図行列を作ってみる。
見込みがありそうなところを見つけたら、いくつかの変数を用いて重回帰分析にかけて絞り込むことも試みるかも知れません。
...このへんが、生態学の弱点といいますか。
すなわち、クマの出没激増の要因としては「コレ」の寄与率が高い、とは言い得ても、「コレ」を解決すればうまくいくというもんでもない。
まして、日本列島はクマの生育環境も、餌資源も大きく異なる。
(大雑把に、北海道ではミズナラやサケが重要、東日本ではブナ、西日本ではシイ等々...)
そんな中で、一概に普遍化、単純化して示すのは難しい。
そんな「生態学」に意味はあるのか。
意味はある。少なくとも僕はそう思う。
「手近なストーリーに飛びついて絶対視しないため」
3-3. 「有害駆除」の名称に思う
私は、市街地に出没して危険な行動をとっているクマは、射殺等を行うべきと考えます。
それは単純に、自分、家族、友人、知人、住民、国民に危害が及ぶことなく、安心して日常生活を行いたいからです。
それはエゴですが、そもそも人間の行動には、エゴでないものの方が少ないでしょう。
まして生命がかかっているならなおさらです。
だだ、私は、「有害駆除」という名前はどうにかならないかと思っている派閥です。
IWC脱退前の調査捕鯨にあやかって、「調査捕獲」「調査銃猟」などの名称はどうでしょう。
実際のところ、クマの胃の内容物を詳細に調べれば貴重なデータが得られるでしょうし、解体した際の肉の鮮度を保つことができるなら食用に回してもよい。
クマ(ヒグマ)肉は、北海道にいた頃何度かご馳走になったことがありますが、「喰べている餌」によって風味が違うのが面白い。
デントコーン畑に居ついて捕獲されたものは癖のない味わいでしたし、秋に沿岸部で捕獲されたものはサケの風味がしました💡
3-4. 外野が自衛隊のことをゴチャゴチャ言わない方がいいと思います...
クマ対策について、やれ自衛隊を投入すべきだとか、自衛隊は狩猟の訓練を受けていないから役には立たないとか、いろんなことが言われています。
はっきり言いましょう。
自衛隊はクマを殺傷する能力はあります。
ただし、「手段を選ばなければ」。
森林のある区画にクマが潜んでいる可能性が高ければ、緩やかに包囲した上で、ロケット砲をぶち込んでやればよい。
そして、クマが逃げていく方向に配置されていた隊員たちが、25mm機関砲で十字砲火の血祭りにあげる、と。
(私の軍事知識は怪しいので、間違いがあればごめんなさい)
これが出来ないのは、隊員の練度や兵器の性能の問題ではなく、純粋なる法規制の問題なのです。
また、レンジャー部隊ならクマを捕殺できるかもしれません。しかし、平時の、人々が注目する中で、日本の特殊部隊が持つ能力を世界に発信するほど最高指揮官(首相)は短慮ではないと信じています。
4. 結びに
私は、自然の中で生きているクマを愛します。
我が国土は、様々なハビタットを以て多くの生物群集を抱えています。
しかし、住宅近郊に出没し、生命の危険が及んだときは捕殺を厭いません。
だからこそ、山岳渓流に分け入るときなどは、完全にクマの生活圏であることを自覚し、クマに襲われて、そのクマが駆除対象にならぬよう、出来得る限りの備えをしていく考えです。
https://youtu.be/rZNDkpnAPl4?si=YrojKx2-Ib2zgv6d
#日本熊森協会 #森林生態系 #生態学 #勉強 #教科書 #原著論文 #動物愛護団体 #支離滅裂
それでは、また次回の記事でお会いしましょう🍀
Twitter(X)館:
https://x.com/fly_fisher_1979
YouTube動画別館:
www.youtube.com
このBlogは、Amazonアソシエイト及び楽天アフィリエイトを使用しています。